前売3000円までで選ぶ面白かった公演ー2013冬

年が明けました。怒涛の年度末も終わりました。
身の回りも色々変化しました。


そしてこのワンクール備忘録は3000円(前売)までに変更しました。
横浜は2月にTPAMがあったので海外含めて多くの公演がありましたが、金欠もあって本数は伸びず計29本。


・東京デスロック『東京ノート
・マームとジプシー『あ、ストレンジャー
・サンプル+青年団地下室
木村愛子『温かい水を抱くⅣ
・手塚夏子『私的解剖実験-6
・範宙遊泳『範宙遊泳展 幼女Xの人生で一番楽しい数時間』☆
・21世紀ゲバゲバ舞踊団『崩壊寸前
・中村達哉『そこから眺める
横浜美術館×岩渕貞太『触媒
Cui?『逆鱗に触れるまでの細くて長い道《真昼間の章》《真夜中の章》
・キラリふじみ・レパートリー『ハムレット
・デ『名づけえぬもの
・モモンガコンプレックス『秘密も、うろ覚え。』☆


以下、ぽつぽつと簡単な感想。
☆を付けたのは範宙遊泳『範宙遊泳展 幼女Xの人生で一番楽しい数時間』ですが、この劇団はわりと追っているので「ここまできたのか!」という新鮮な驚きがありました。
小さい会場で出来ることををしっかり考慮した上で、あの作品を出せるのだからすごい。
役者の位置づけで驚かせてくれるのは若手の中では一番だと思う。メタメタしいことをしなくても『演劇ってなんだ』『見ている自分はどこにいるのか』『誰がここにいるんだ』という思考が湧いてくる作品だった。


眼科画廊つながりではcui?。
劇場っぽい劇場で見るのは初めて。で、新しい試みをしている。
その試みが成功しているかといえば、御世辞にもそうとは言えませんが、そこで試せるのはいいなと思いました。*1
演出としてエネルギーをどのように見せていくか、役者の成長や扱い方も含めてよくなる可能性が大いにあると思う。


※眼科画廊は演劇とかパフォーマンス系もイベントけっこうあるし、画廊だけにはしごして手持ち無沙汰な時間が出来ても他に展示もあるので重宝しております。


若手でもう一つ気になったのは「デ」。
京都から来て横浜で平日の公演というので気になった。トークゲストも重力/Noteの鹿島さんとマレビトの会の松田さん、劇研でも受賞している。
この世代というとちょっと大雑把だが、そこで見られがちな定型的なキャラクター性を廃していて(それは作品テーマによるところもあるだろうが)、


ちなみに、上記3組に共通していたのはエロティックというか性的な描写。1つ気になるのは、ドロドロしたものを直接見せるだけではない不気味さや内面っぽさもあるのかなとか。


『あ、ストレンジャー』の音・音楽の感覚というのはビシビシきた。
高山さんの冒頭の登場シーンでの足音、運ばれるときのフィジカルは鮮烈に記憶している。



最近はどうやって生活できるか、生活の中にこういうものを組み込んで生きられるのかということを考えていて、その点では手塚夏子さんの公演は感銘を受けるものがあった。


で、もう一つ☆を付けたのはモモコン。
「50年後の再演」というのはとてつもなく大きなテーマだと思う。これは活動を続ける覚悟でもあるわけだし、長い時間と距離*2、身体におけるそれをどのように表すかというのは非常にクリティカルな問題だ。
ゲーテ座というロケーションや関連した企画等々も含め優雅な雰囲気がありつつも、ついつい笑ってしまうモモンガコン"ト"レックスのごとき小ネタを散りばめて、飽きさせない公演だった。
小ネタというのはそのモチーフや異化効果で技法的に語ることもできようが、現在頭が回らないので割愛。


キラリふじみは行った回数は数えるほどだけれど、とてもいい劇場なのだなという印象が強くて、横浜民としては副都心線直通は嬉しい。

*1:これまでの方法では成功しているところはいくつもあった。

*2:生演奏とオリジナルのラジオ番組を用いた音楽、音響は素晴らしかった。