前売3000円までで選ぶ面白かった公演ー2013夏

驚くくらい劇場に行っていなかった。週1ペースである。
そのかわり他の場所へよく足を運んでいました。



・『紙風船文様
  演出:山本卓卓
  出演:黒岩三佳 武谷公雄


・『ダンスクロス
  関かおり、岩渕貞太 「Conception」
  ミリアム・グルフィック「THE BREATHING MONSTER」


・中村蓉ソロダンス「SONATA ソナタ
  

・FUKAIPRODUCE羽衣『Still on a roll


・井田亜彩実『arche

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前売3000円までで選ぶ面白かった公演ー2013春

仕事関係はあまり芳しくない期間でしたが、色々動き出してきた感じです。
少々落ち込みつつも、観に行った公演は面白いものばかりでした。

青年団この生は受け入れがたし
・マームとジプシー『てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて。
・劇団はへっ『矢印
・ブルーノプロデュース『My Favorite Phantom
・範宙遊泳『さよなら日本-瞑想のまま眠りたい-』☆
・東京ELECTROCK STAIRS『東京るるる
・木ノ下歌舞伎『黒塚

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範宙遊泳『さよなら日本-瞑想のまま眠りたい-』

素晴らしい作品でした。
感想の前に、この作品に繋がるこの一年における演出における試みを振り返りってみます。
最近の作品は、特にプロジェクターを利用した演出が特徴的でありますが、一年に限定した流れの中ではGALA Obirin 2012スタッフ企画(2012年5月)に端を発していると思われます*1。この作品は人間の役者が出演せず、黒子によってときおり動かされる舞台美術がそれとなっていました。そして、プロジェクターから投影されるテキストによって物語は進行します。元々、この企画は照明や音響、舞台監督などのスタッフ向け企画だったということもありますが、演劇と銘打った上で行っていたので強烈な印象が残りました。
それ以降は、役者も交えながら写真や図像、映像、プロジェクターの光源から生じる影をも用いながら、その前で芝居が行われる少作品を連続して発表しています。
これを踏まえて、この作品の感想に移りますが、この作品というよりは一連の作品群への見解になっているかもしれません。

*1:プロジェクターを使う作品は他にもある。

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マームとジプシー『てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて。』

1つのもので感想を書き留めるのは久しぶり。
でも、今、感じていること・考えていることをどうしても残しておきたい作品でした。劇場で作り【A】【B】【C】とシリーズで行う、してやられたような企画公演である。

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例えば翻案することについて

アニメ愛好家として「好き/嫌い」「凄い/凄くない」を区別できるか否か:シロクマの屑籠


惡の華」に限って言えば、私は原作も好きだし、それがあるからこそアニメでの翻案に驚いて楽しんでいたりもする。


原作と違うからこそ、どんな翻案がなされたのか見たいのである。


また、そこで使われた手法がその作品に本当に合っているかというのはそんなに早く分かることではないし、事例の少ない手法であればその初回はシリーズにとっての、そしてその作品はジャンルにとっての今後の試金石と成り得るので尚更判断を焦ってはいけない。
ごくごく単純な「凄い/凄くない」の判断をするためにはここも大切だと思う。

勿論、上で挙げた基準を考慮しないのであれば、手法でやる必要はないということもすぐに言うことは出来るが、あくまでその時点での判断だということも留保しなくてはならないのだ。


例えば、やや遠いものではあるがよき言葉が載っている記事があるので紹介まで。
岡粼乾二郎ゼミ 基礎|2012年度講義録より 1. 歴史的な出来事を表現する。〈前編〉


もう一度「惡の華」に話を戻せば、制作側は"なんのためにこの手法をとったのか"ということについて説明がなされているので、観客が判断する基準の1つを確認しやすくなっており、責任は十分に果たしていると思う。
それを"作り手の自慰行為"だと言うのは、少々短絡的ではないか。この状況では、自分に合わないものは全て閉じているという閉じた発言と見られても仕方がない。


それとは別に許せない・面白くないという判断を下す場合もあるだろう。なんだかんだ言って私も未だに好きになれない、見るとイライラして仕方ないものはいくつもある。
何かを感じる理由はそのままで、通すフィルターが異なれば「面白い/面白くない」「好き/嫌い」の結果だけ違うものになるので、意見を表明するときに理由を挙げることはもっともなことではあるが、だからと言って過度に対立する側に向けた物言いは避けたほうがよろしいのではないかと思う。


「だからお前は見る目がないんだ」と言われて、気分良くお話が出来るような人間は大変少数であると思う。


何にせよ、私はチャレンジすらも見てやることが出来ない人々の声を大きく見せるような輩は嫌いなので、
「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが、大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ。
という煽りとして便利に使える楽なコピペの表には、
「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが、一部のそれは「先人が思いついたけど出来なかった」ことだ。
というものがあることを十分に理解する人が増えればいいと思う。

前売3000円までで選ぶ面白かった公演ー2013冬

年が明けました。怒涛の年度末も終わりました。
身の回りも色々変化しました。


そしてこのワンクール備忘録は3000円(前売)までに変更しました。
横浜は2月にTPAMがあったので海外含めて多くの公演がありましたが、金欠もあって本数は伸びず計29本。


・東京デスロック『東京ノート
・マームとジプシー『あ、ストレンジャー
・サンプル+青年団地下室
木村愛子『温かい水を抱くⅣ
・手塚夏子『私的解剖実験-6
・範宙遊泳『範宙遊泳展 幼女Xの人生で一番楽しい数時間』☆
・21世紀ゲバゲバ舞踊団『崩壊寸前
・中村達哉『そこから眺める
横浜美術館×岩渕貞太『触媒
Cui?『逆鱗に触れるまでの細くて長い道《真昼間の章》《真夜中の章》
・キラリふじみ・レパートリー『ハムレット
・デ『名づけえぬもの
・モモンガコンプレックス『秘密も、うろ覚え。』☆


以下、ぽつぽつと簡単な感想。

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前売3000円までで選ぶ面白かった公演ー2012秋

この期間はフェスティバル/トーキョーとかダンストリエンナーレとかあってたくさんの公演があったのだけれど、4000円以上かかるものを観に行ってしまっていて、3000円台までの公演をあまり見ていなかった。
むしろ、旅行で飛んでいったりしてたので、そこでお金がなくなったことのほうが大きい。
ただ、響くものがそんなになかったというのもある。


山下残ヘッドホンと耳の間の距離
ブルーノ・プロデュース『くんちゃん
劇団はへっ『ヨーロッパ
岡崎藝術座『隣人ジミーの不在
KENTARO!!『雨が降ると晴れる.2
ギア-GEAR-
中野成樹『Waiting for Something』(アジア舞台芸術祭2012『国際共同クリエーション公演』)
矢内原美邦『全事経験恋歌』(アジア舞台芸術祭2012『国際共同クリエーション公演』)
toi presents 5th『あっこのはなし』
中野成樹+フランケンズ『聞いてごらんよ、雲雀の声を』(ナカフラ演劇展 冬のツアーD2)☆
集団:歩行訓練『不変の価値』
ロロ『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』

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