「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」のメモ〜イメージの手触り〜

「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」がとても面白い。
全く人間らしからぬ人物造形とエロ。
ゆえに、その手触りがとても気になるところであり、そこが面白い。

クローズアップ

対象物に迫るクローズアップは、その対象物の細部、テクスチャを見せるものである。
顔、股間(パンツ)のアップの多さ。*1直接的に見せてくるのですが、それをキャラクターデザインと規制表現によって少し捻られて見えてくる。


こういったことによって、ただの縞パンがとても魅力的なものに見えてこないでしょうか。そして、単なるフェチではなく手触りから生じる情動がみえてこないでしょうか。
妹、幼なじみ、委員長といったお決まりと言えるような設定に味付けしているのは、単におかしさだけではないのです。


また、アップでつないでそこにある空間的な奥行きや通行人のようなモブキャラを消してしまうことも多い。特に密会(デート)の終盤に代表されるような携帯電話が用いられたシークエンスは見事と言えるでしょう。とは言っても、衆人の目も非常にうまく使われているのですが。

キャラクター毎の手触り

・高梨奈緒
最初に挙げながら、たぶん一番難しい。毎日一緒にいながら、いつも何かを介している。お風呂もゲームのキャラを模しているし、海では兄の意識はなく、黒タイツではその両者。だからこそ、海水浴の帰りのシーンが際立つのですが。
また、最もモノローグが多用されており、視点も中心になることが少なくない。


・土浦彩葉
身体。
遠くから見つめること(監視とその描写による近さはある)と空白期間がありながら、お医者さんごっこ・口づけ・デートと最も身体同士の触れ合いがある。


・近藤繭佳
黒タイツ。
近藤自身は触れられずとも、高梨修輔が手触りを覚えるという点で最も大きな働きをした。修輔の好みの変化とパンツテクスチャの多様性を示し、これはまさに感覚から情動が起こっている証拠でもある。


静留
妄想。
イメージの手触りという点でこれも欠かせないバリエーション。

おまけ

ブルーベルベットよろしくパンツに始まりパンツに終わったら傑作ですが、それには多くの視点からパンツが見えること、そしてパンツのテクスチャが多様化すれば・・・ですね。*2

*1:アップの多さについては私個人は特に元永慶太郎さんが関わるものに多い印象です。

*2:不気味な限定がないだけ「お兄ちゃん〜」は気楽に見ることができる